自分に合ったプロテインを探そう! ホエイプロテインの種類
前回に続いて今回はホエイプロテインを選ぶ際の
製法/加工方法
について話をしていこう。
倶楽部でおすすめしているホエイプロテインについてですね!
そうだね。
現在一番多く流通しているホエイプロテインだが、これにはいくつか製法・加工方法が存在する。
まずはこれを見ていこう。
ホエイプロテインにはどんな加工方法があるのですか?
まずはWPCと呼ばれているホエイプロテインコンセントレートだ。
一般的に売られているホエイの大多数がこれにあたる。
【メリット】
価格が安い
ビタミンミネラル、免疫グロブリンなどが豊富
濃厚な飲み応えの商品が多い
【デメリット】
溶けにくい原材料もある
脂質を僅かに含む
乳糖を含む
というのがホエイプロテインコンセントレート(WPC)の概要だ。
価格が安いというのは継続して飲む上で大きな魅力ですね!
脂質も僅かに含むんですね!
脂質を含むと言ってもほんの僅かな話だがね。
除脂肪中においてもほとんど気にするレベルではないよ。
WPCの魅力はホエイの健康効果を最大限摂取できるという風に考えると良いだろうね。
そしてWPCが敬遠される一番の理由としてはやはり「乳糖を含む」ということだろう。
私は乳糖に対して注意が必要かもしれません。
牛乳を少しでも飲むとすぐにおなかの調子が悪くなりますから!
乳糖(ラクトース)を分解する酵素、ラクターゼの活性が低い人を「乳糖不耐症」というんでしたね!
栄養素は消化、吸収されて効果を発揮する。
牛乳を飲んでおなかの調子が悪くなるという人は、乳糖を含むWPCでも同様におなかの調子が悪くなる可能性があるね。
ただ、食物繊維の摂取や腸内細菌嚢で牛乳に対する消化能力は大きく変わるとも言われているからね。
そもそも普段の食事で食物繊維不足や軟便が続いているという人は乳糖の摂取以前に普段の食生活を見直して、腸内環境の改善をしないといけない。
その点、僕は大丈夫だね!
コンセントレート(WPC)はちょっと検討ね・・・
続いてはWPIと呼ばれるホエイプロテインアイソレート。
これはWPCから乳糖や脂肪分を取り除き、よりピュアなタンパク質の摂取が可能なホエイプロテインだ。
【メリット】
乳糖をほとんど含まない
脂質をほとんど含まない
スッキリとした飲みごたえ
溶けやすい製品が多い
【デメリット】
価格がWPCと比較して高い
味がスッキリし過ぎている
うーん悩みますねぇ!
でもやっぱり僕はコスパを優先したいかなぁ・・・。
WPIなら牛乳でおなかを壊す私でも良いかもしれませんね。
・・・でも価格が高いんですね。
継続して飲むものだからこそ、価格は重要よね♪
最後にWPHと呼ばれるホエイプロテインハイドライズド。
ホエイペプチドとも呼ばれたりするね。
このタイプはただでさえ消化・吸収力がずば抜けているホエイプロテインを加水分解によりペプチドの状態にまで分解することで、更にホエイの消化吸収性を引き上げている。
ペプチドの状態まで分解されたタンパク質は、すぐに体内に吸収されるからね。
【メリット】
他を寄せ付けない圧倒的な吸収性
乳糖をほとんど含まない
脂質をほとんど含まない
スッキリとした飲みごたえ
溶けやすい
【デメリット】
価格が高い
消化吸収性に優れているホエイプロテインを更にペプチドの状態まで分解する必要があるんですか?
ハイドライズドホエイはステージ3のようなActive強度が非常に高いトレーニングを日々している人には特に恩恵が大きいだろう。
まず利点としてはペプチドの状態まで既に分解されているということ。
アミノ酸が2個3個結合した状態をそれぞれジペプチド、トリペプチドと呼ぶが、その状態のペプチドタンパク質はアミノ酸単体まで消化せずともまとめて体内に吸収することができる。
血液が対象筋に集まっているトレーニング中やトレーニング直後は、胃や腸などの消化器官には血液が集まりにくいため、消化吸収能力が著しく落ちやすい。
しかしWPHは加水分解によって消化のプロセスをほとんど省いている状態なのでそういう状況下でも利用しやすい、つまり消化吸収という点においてはホエイの中でも最も優れているタイプだという事だ。
無論ペプチドと言っても先述したジペプチド、トリペプチドの製品含有率でWPHそのものの品質は変わってくるがね。
なるほど!
消化のプロセスをほとんど必要とせずにすぐに体内利用が可能と!
肉体彫刻家にも当然個体差があり、求めるステージや肉体美も違う。
ただでさえ消化吸収性が高いホエイはペプチド化してまで吸収、即効性を高める必要が無いと言われれば、それはその人の個体差なのでそこまでだが、より高いステージを求めていく上で、Active強度と回復強度を共に引き上げていくという考え方は決して間違いではない。
そういう人にとってはハイドライズドホエイは検討する価値のある有効なアイテムだという事だ。
ロミペンはハイドライズドホエイを利用しているの?
脚や背中などの大筋群のトレーニングを高い強度で行った際はハイドライズドホエイを利用してトレーニング直後の回復強度を高めているよ。
自分の場合は脚や背中などの大筋群を限界まで追い込んだときは「酸欠」「消化器官への血流不足」で吐き気に襲われることもるし、トレーニング後、1~2時間全く食欲が戻らないんだ。
そういうときは消化負担が極めて少ないハイドライズドホエイは有効だと考えて利用させてもらっているよ。
あとは吸収性の高さからトレーニング中に飲む方も結構多いよ。
な、なるほど・・・(酸欠って)
確かにステージ3の方にとっては有用に聞こえますね・・・。
(吐き気って・・)
ロミペンみたいに追い込む人は稀だけどね。
でもそういう人は筋繊維へのダメージが大きい分、回復強度もしっかりと考えないといけない。
消化能力が著しく落ちるトレーニング中や直後はハイドライズドホエイが特に有効かもしれないわね♪
ホエイプロテインって色々な加工がされていて、それが色んな人のニーズにマッチしているというのがすごいですね!
ここまではホエイだったがミルクプロテインはまだ終わりじゃない。
次はホエイと並ぶミルクプロテインの一種「カゼインプロテイン」について話をしよう。
自分に合ったプロテインを探そう! カゼインプロテイン
カゼインプロテインですか?
ホエイとは何が違うのでしょうか?
乳タンパクの約8割を占めるタンパク質が「カゼインタンパク質」だ。
共にミルクプロテインであるホエイとカゼインで性質が大きく異なるのはその消化吸収速度にある。
ホエイが素早く消化吸収されるのに対して、カゼインは胃の中でカードと呼ばれるヨーグルト状になり、ゆっくりと消化吸収される。
つまり
ホエイが血中アミノ酸の濃度を短時間で上げるのに対して
カゼインは血中アミノ酸濃度を維持するのに役立つ
というわけだ。
アミノ酸濃度を維持するのがどういう場合に有効なんでしょうか?
最大限の筋発達を狙う際は、筋タンパク合成に必要な細胞内のアミノ酸濃度をある程度一定に保つ必要がある。
ただし食事を長時間できないような場合は、肝グリコーゲンの量にもよるが細胞や血中のアミノ酸濃度はどんどん低下して筋分解が発生する可能性が高まる。
そういう場合にゆっくりと消化され、少しずつ血中アミノ酸濃度を高めるカゼインは筋分解抑制などに有効だと言われているね。
忙しくて食事がほとんどとれない環境の人にも、長時間血中アミノ酸の濃度を維持してくれるカゼインプロテインは筋分解の抑制には有効ということなんですね。
ただしA1βタイプのカゼインは消化器官の炎症を招く可能性があると、アジア人を対象とした実験結果で報告されているので少し注意が必要だね。
特に乳糖不耐症の人はカゼインの摂取は控えた方が良いかもしれない。
昔はその安さもカゼインを選ぶ理由の一つだったが、最近ではホエイのコストが落ちていて、利用できるシーンが限られるカゼインプロテインを購入する必要性が下がっているのも事実だ。
消化に時間を要すというのはメリットでもあり、デメリットにもなるからね。
A1 β-カゼインって何ですか?
乳牛の遺伝子でA1β/A2β型ってミルクに含まれるカゼインの種類が分かれるんだよ。
つまり牛乳でおなかの調子が悪くなる人は、カゼインプロテインには特に注意が必要ってことだよ♪
あの・・・・一時期カゼインが白内障に繋がったりみたいな話題が上がりませんでしたか?
確かに5万人に1人の割合で「ガラクトース血症」のような先天性疾患を持つ方はいる。
そういう人はカゼインを含む乳製品全般に気を付けるべきだろう。
5万人に1人!?
でっ、でも動物実験ではマウスにヨーグルトを食べさせたらカゼインを原因とする白内障になったとかって研究結果を雑誌か何かで見た気がするんですけど。
それは他の製品の優位性をアピールして、乳製品をこき下ろす論調の時に良く引き合いに出される有名な動物実験だね。
でもそれって体重60kgの人に換算すると1日に「20kg以上」のヨーグルトをマウスに食べさせた実験だって知っているかい?
そんなの現実的じゃないだろう?
に、20kg以上のヨーグルトだって!?
ヨーグルトに限らずどんな食品でも一日にそんなに摂取したら悪影響が出るに決まっているじゃないか!
そ・・・そうだったんですね。
研究と聞くと権威性があり、誰もがその結果だけを信じてしまいやすい。
そしてその研究内容を吟味するという事まで一般人はしない。
そういう噂が流れてしまうのも仕方がないさ。
まとめるとカゼインプロテインはホエイプロテインと比較すると腹持ちが良く、消化吸収がゆっくりで、血中アミノ酸濃度を維持するのに役立つ。
基本的にはホエイプロテインの方が利用できるシーンが多いけど、時間が無くて長時間栄養摂取ができない人や空腹感を抑えて腹持ちを良くしたい人なんかには選択肢に入るプロテインだということだね。
ただし、ある特定のタイプのカゼインは消化器官に炎症を起こす可能性があるのも事実だから、WPCと同じく乳糖不耐症の人にはあまりオススメできないプロテインかな。
自分に合ったプロテインを探そう! エッグプロテイン
続いては最近日本でも流行っているエッグプロテインについて話をしよう。
ホエイという優秀なプロテインがあるにも関わらず、わざわざエッグプロテインを選ぶ理由はあるのでしょうか?
「乳糖不耐症」によってお腹を壊してしまう人にとっては必須アミノ酸のバランスが良く、BCAAを多く含む動物性プロテインとしてはエッグプロテインは1つの候補となるだろうね。
でも乳糖が気になるのであれば、WPI、ホエイプロテインアイソレートやWPH、ハイドライズドホエイを飲めば良いのでは?
そうだね、その通りだよ。
ただし牛乳アレルギーの人や、重度の乳糖不耐症の人にとってはホエイアイソレートであっても飲むことができない。
そういう人にはエッグプロテインは最高のプロテインとなるだろう。
エッグプロテインも必須アミノ酸を多く含むんですね!
そもそも卵自体が乳タンパクと並んで消化吸収性が高く、体内利用率の高い、完璧なタンパク源と表現される食材だからね。
卵黄を使用していないとはいえ、エッグプロテインは消化吸収性、アミノ酸バランス共にホエイに大きく劣るものではない。
あとは卵白のみを使用している分、脂質をほとんど含まないのも大きな利点の一つだね。
つまりWPI、ホエイプロテインアイソレートのような感じでタンパク質を摂取することができるという事ですね!
そういうことだね。
ただしエッグプロテインと違い、ホエイは長きにわたって世界中の人々に飲まれている分、健康効果、除脂肪、筋発達において、実証された数多くのメリットとなるエビデンスがある。
当倶楽部ではエッグプロテインの優秀さは理解しているが、数多くの研究結果に基づき、牛乳アレルギーや重度の乳糖不耐症でもない限りはホエイプロテインをまず推奨している。
なるほどです。
ホエイほど世界中で愛飲されてるプロテインは無いし、結局のところ肉体彫刻家のほとんどはホエイを飲んでいる。
これは大きなエビデンスよね♪
ただし忘れてはいけないのはサプリメントはあくまでもサプリメント。
肉体を作るのは日々の食事。
食事を疎かにしているのにホエイプロテインやエッグプロテインが優秀だと言ったところでほとんど意味のない話だからね。
わかりました!
実際にプロテインの種類についてはだいたい理解できたんですけど、倶楽部でオススメしているプロテインがあれば教えて欲しいです!
もちろんオススメはあるわよ♪
多種多様なプロテインの世界は、いきなり一人で歩き始めるにはちょっと情報が不足しやすいからね♪
では次回、肉体彫刻倶楽部おすすめのプロテインを紹介しよう。