三大補強栄養素とは?
前回の「タンパク質」「炭水化物」「脂質」の三大栄養素に続いて、今回は「三大補強栄養素」を理解していくんですよね!?
そうだね。
実際に当倶楽部でいう「三大補強栄養素」というのは以下の栄養素の事を指すんだ。
①ビタミン
②ミネラル
③食物繊維
び、ビタミン・・・なるほど。
そ、そうなんですね・・・。
その反応・・・
ビタミンやミネラルって言葉が耳にタコすぎて、除脂肪や肉体彫刻にはあまり関係ない栄養素だと思っているんじゃないかい?
い、いや・・・決してそんなことは・・・
(ギクッ)
無理もないかな。
微量栄養素についてはどうしても興味が持てない人が多いからね。
だけどビタミン、ミネラル、食物繊維は「肉体彫刻には必要不可欠な栄養素」だということを理解してもらおう。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が大事なのはテレビや雑誌からなんとなくわかっているんですけど・・・
本当に除脂肪だったり・・・肉体彫刻に必要なんですか?
「三大栄養素」は「生きるために必要な栄養素」
「三大補強栄養素」は「健康に生きていく上で欠かせない栄養素」
そう言えばわかりやすいかな?
健康に生きていく上で!?
えっ!?
ビタミンDなどの一部を除いてビタミン、ミネラル、食物繊維は「必須アミノ酸」や「必須脂肪酸」のように体内で生合成できない。
つまり食事として外部から摂取する必要がある。
そしてビタミン、ミネラル、食物繊維は体内において、三大栄養素の働きを最大限発揮するための「補強役」と「調整役」としての役割を持つ。
更に摂取不足は「体調不良を招き」「病を引き起こす」ことから「健康に生きていく上で摂取することが欠かせない栄養素」なんだ。
「補強栄養素の不足」が「病を引き起こす」んですか?
ビタミン不足って肌荒れとか吹き出物のイメージしか・・・
不調というのは何となく理解できますけど・・・
さすがに病気を引き起こすっていうのは・・・
では少し有名な話をしてみようか。
「日露戦争中に弾丸よりも日本人の命を奪ったもの」
何だかわかるかい?
が、餓死とか・・・
いわゆる「飢餓」ですか?
明治の頃に軍で出されていた食事は「兵一人当たり白米6合」にも及ぶと言われているね。
現代でも6合の白米なんてそうそう食べきれないだろう?
つまり餓死では無いよ。
白米六合!?
六合なんて僕でもたまにしかそんなに食べませんよ・・・。
じゃあ寒さとか・・・凍死でしょうか?
ビタミン不足だよ。
え・・・?
び、ビタミン不足が弾丸よりも日本人の命を奪ったんですか!?
ビタミンB1不足からくる「脚気」という病でね。
脚気は末梢神経に影響を及ぼして「脚のむくみ」「痺れ」と続いて、最終的には衝心性脚気といって「心不全」を引き起こす。
び、ビタミン不足で「心不全」になるんですか!?
(脚のむくみなんて私からしたら常に・・・)
そ、そんな・・・・
何も戦争中に限った話じゃないよ。
明治の頃は年間1~3万人の人が脚気心で亡くなっていたんだ。
数万人もビタミン不足で亡くなっていたのかい!?
明治時代に何があったんですか?
脚気というのは昔からあった病なんですか?
脚気の罹患者が目立ってきたのは「江戸時代」からなんだ。
脚気は庶民の暮らしの中で「白米」を食べるようになってしまったのが流行した一番の理由だと言われている。
えっ!?
へっ!?
それまでに日本人はお米と言えば「玄米」を主に食べていたが、精米して白米にすることで「お米は非常に美味しくなる」
ただし玄米を白米に精米する際に胚芽なども削ってしまうが、米ぬかや胚芽にはビタミンB1が多く含まれている。
つまり白米は玄米と違ってほとんどビタミンなどの栄養素が残らないというわけだ。
そしてビタミンB1は炭水化物、つまり糖代謝に深く関わる重要な栄養素なんだ。
でも・・・現代の我々の主食も白米ですよ!
当時は「ご飯に味噌汁、御漬物」と副菜も無く、食事も質素だったからね。
肉や魚、卵や野菜などが豊富な現代の食生活とは比較できないだろう。
「ひえ」や「あわ」などの当時貧しい人たちが食べていた「雑穀」にはビタミンなどの栄養素が豊富に含まれている。
そして白米が高価で貴重な時代、「江戸」で白米を中心とした食生活が広がると共に「江戸患い」と呼ばれる病が流行した。
その正体はビタミンB1不足が引き起こした脚気だったんだね。
白米を常食していた皇族など身分の高い人も脚気になっていたみたいで、江戸全体での死亡者も相当数に上ったと言われているんだ。
そんな・・・たかがビタミン不足で・・・・
じゃあ明治時代になって脚気が爆発的に流行したっていうのは・・・
明治時代、近代化と富国強兵を目指すうえで
①白米を中心とした給食制度
②製糸産業の発展と共に、貴重なビタミン源であった「ひえ」「あわ」などの雑穀の生産量が落ちて、代わりに蚕の餌となる「桑」の作付面積が上がったこと。
③経済上昇に伴い金銭収入が増えたことによる民衆の「白米の常食化」
上記の大きな要因に伴って脚気が全国的に大流行して、
「年間1~3万人もの死者を出す国民病」になってしまったんだ。
ビタミン不足が人を殺していた顕著な例だね。
そ、そんな・・・
ビタミン不足が数万人もの死者を出す病に直結していたなんて・・・
15~18世紀にはビタミンC不足が引き起こす「壊血病」が200~300万人の死者を出していたという過去もある。
そして近年では2023年にビタミンDの摂取量と全死亡率に統計学的な有意差が見られたという研究結果が国立がん研究センターから出ている。
国立がん研究センター ~ビタミンD摂取と死亡との関連について~
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/9052.html
これって近年の話じゃないですか・・・・
現代でも深刻なビタミン不足って起こってるのかい?
飽食の現代だからって我々のビタミン摂取が足りているとは言い切れないだろう?
偏った食生活を続けていると当然特定のビタミンが欠乏しやすい。
そして「理解無くして意識することは難しい」
結局のところビタミンの重要性を理解していない内はビタミンを意識した食事は出来ないってことさ。
二人ともどう?
少しは「補強栄養素」に興味を持ってもらえたかしら?
は、はい!
そりゃもう!
では次回以降「補強栄養素がなぜ必要なのか」を簡単に説明していこう。
「除脂肪したい場合にも深く関わる」この補強栄養素を理解することはとても大事だよ。
はっ、はい!
お願いします!