糖や炭水化物を理解しよう!
「同化と異化の基本」の次に君らが理解するべき内容は
「3大栄養素」と呼ばれるPFCについてだ。
三大栄養素・・・・ついに来ましたね!
宜しくお願いします!
宜しくお願いします!
今回はPFCの「C」
カーボハイドレート、炭水化物について肉体彫刻家として必要な内容を簡単に学んでいこう。
宜しくお願いします!
宜しくお願いします!
炭水化物とは「糖」+「食物繊維」
これらは最終的には「単糖」と呼ばれる状態にまで分解され、吸収される。
糖と食物繊維で炭水化物。
何か聞いたことがありますね。
次が大事な所だ。
「糖は糖と結合できる」
そして我々の肉体は「単糖」と呼ばれる状態でしか吸収できない。
糖は糖と結合出来て・・・・
僕らの身体は「単糖」しか吸収できない・・・
単糖類とは以下の糖の事を指すんだ。
①グルコース(ブドウ糖)
②フルクトース(果糖)
③ガラクトース
グルコースは血液中に溶けて「血糖」となる。
フルクトースやガラクトースも小腸で吸収され、肝臓でグルコースへと変換される。
ここまで話を聞いてきた君らにとってグルコースは既に馴染みのある糖だろう?
はい!
グルコースは「我々の肉体を構成している数十兆個の細胞のエネルギーとなる重要な栄養素です」
「血液中のグルコース濃度」
「血糖値というのは肉体増強ホルモンインスリンの分泌や異化ホルモングルカゴンの分泌判断」にもなります。
つまり血糖値は「身体が同化優位にすべきか、異化優位にすべきかエネルギー状況を判断する上でも重要な値」と言えます!
そうだね。
ではそのグルコースとグルコースが結合するとどうなると思う?
えっ!?
結合!?
グルコース同士が手を繋ぐという事ですか?
「手を繋ぐ」
良い表現ね♪
まぁ正確には「グリコシド結合」だけど・・・
(分かりやすくて良いか)
グルコースとグルコースが結合・・・わ、わからないです!
グルコースが二つ結合すると「麦芽糖」
別名「マルトース」と呼ばれる「2糖類」と呼ばれる糖になる。
つまり 単糖+単糖=2糖類 というわけだ。
単糖+単糖で2糖類!
なるほど! なんか単純ですね!
ちなみに麦芽糖は「水あめ」などの甘味の主成分だね。
あとは「焼き芋」の甘味も麦芽糖によるところが大きい。
焼き芋大好きです!
焼き芋の甘みは麦芽糖の甘みなんですね!
「芋・栗・かぼちゃ」は女子には欠かせないわ♪
わかります! 私も焼き芋大好きです!
では今度はグルコース(ブドウ糖)と同じ単糖類のフルクトース(果糖)が「手を繋ぐと」どうなるかわかるかい?
ブドウ糖+果糖
我々に聞き馴染みのある糖になるんだが。
・・・わからないです!
グルコースとフルクトースで「スクロース」になる。
別名「ショ糖」つまり「砂糖」のことだ。
我々の日常にある「代表的な糖」だろう?
な、なんと!
砂糖はグルコースとフルクトースが手を繋いだ2糖類なんですね!
またグルコースにもう1つの単糖であるガラクトースが手を繋げば「乳糖」「ラクトース」となる。
グルコース+ガラクトース = ラクトース(乳糖)
乳糖という文字通り牛乳や乳製品に含まれている糖のことだね。
牛乳はお腹が痛くなるから長年飲んでないなぁ・・・
そういう人は「乳糖不耐症」と言って、この乳糖を単糖に分解する乳糖分解酵素ラクターゼの活性が低く、うまく吸収ができない体質の場合が多い。
酪農の歴史が浅い日本人に乳糖不耐症は多いと言われているが、腸内善玉細菌と言われる乳酸菌やビフィズス菌が多ければ不快症状はあまり出ないという研究報告もあるね。
確かに牛乳飲んでお腹がゴロゴロする人は周りにもいますね!
私も取り過ぎたらお腹が緩くなっちゃいます!
でも糖って「手を繋ぐペアが変わるだけで名前も性質も変わって」面白いですね!
いい感想だね。
更に単糖が3~9個程結合した糖は「小糖類」や「オリゴ糖」と呼ばれるようになる。
オリゴ糖は「腸内環境を整えてくれるビフィズス菌の餌になる糖」と言われているね。
オリゴ糖は聞いたことあります!
では「でんぷん」はどうかな?
それはもう!
米や小麦、イモなど私たちの主食になる食品の栄養素ですよね!
そうだね、我々の主食になる米やイモ、小麦やトウモロコシに含まれる炭水化物が「でんぷん」だね。
そしてこの「でんぷん」というのはグルコース(ブドウ糖)が100個以上多数結合した状態の「多糖類」と呼ばれる糖だ。
多糖類・・・。
つまり「デンプンはグルコースが大量に手を繋いだ状態」なんですね!
その通り。
そしてこのデンプンをある程度細かく分解した状態にすると「デキストリン」と呼び名が変わる。
デキストリン!
なんか「マラソンランナーが摂取すると良い」とかなんとか聞いたことがあります!
そうだね、運動中のカーボドリンクとしてデキストリンが選択されることは多い。
これについてはまた別の機会に詳しく話をしよう。
結合する相手や数でこんなに呼び名が変わるんですね!
特に「でんぷん」も「デキストリン」も我々の主要栄養素のグルコースで構成されているのが驚きました!
そうなのよ。
糖って面白いのよね♪
確かにグルコースだけの結合でもこうやって名称が変わるの面白いよね。
そして「我々の肉体は単糖しか吸収できない」
つまり多数のグルコース達が手を繋いでできたデンプンも「単糖であるグルコースまで分解する必要がある」ということだ。
なっ、なるほど!
デンプンのように「どれだけ沢山のグルコースが結合していた」としても「グルコース単糖まで分解しないと体内に吸収できない」わけですね!
その通り。
では今の内容を踏まえて質問だ。
「砂糖とデンプン どちらが体内に吸収されるのが早いかな?」
それは砂糖じゃないですか?
だって砂糖は「ブドウ糖+果糖の2糖類」
「結合を1つ分解すれば単糖」になりますから。
すぐ体内に吸収できるはずです。
その通り。
「糖の結合数が少ない」
つまり分子の数が少なければ少ないほど消化プロセスは早く、体内への吸収も早い。
つまり「血糖値の上昇が早い」ということだ。
なるほど!
血糖値が上昇すると当然・・・・・
インスリンが分泌されます!
その通り。
「急激な血糖値の上昇はインスリンレベルを急速に引き上げる」
既に学んだことだね。
高血糖状態は「血管への悪影響が大きい」です。
なので身体は上昇する血糖値に合わせて、インスリンの分泌量を増やして細胞に糖を利用するように呼びかけます!
その通り。
あまりにも高い血糖値は「糖化を促進させ多量のAGEsを発生させる」
そしてAGEs自体がROS(活性酸素)を発生させ、血管をはじめとした疾病や老化に大きく関わる。
だから身体はインスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌して「適切な血糖値」を常に維持しようと恒常性を働かせているわけだね。
そうです!
ここでまず1つ理解しておこう。
「急激な血糖値の上昇は身体にとって良いことだろうか?」
高血糖状態がそもそもAGEsの産生を含めて血管への負担をかけます!
なので健康面で考えて「急激な血糖値の上昇は良くない」ですね!
その通り。
「急激な血糖値の上昇は血管への負担をかけるので良くない」
では「除脂肪」 つまりダイエットの観点で考えてみよう。
「急激な血糖値の上昇は除脂肪に有効かどうか?」
急激な高血糖は多量のインスリン分泌を招きます!
「肉体増強ホルモンであるインスリンの作用」は
「血液中の栄養素の取り込みを促進するように細胞に声をかけること」
そして「インスリンが声をかける細胞の中には脂肪細胞も含まれます」
なので体脂肪を分解してエネルギー利用する「異化」とは逆に「脂肪蓄積」の働きをします。
除脂肪中、つまりダイエット中は「インスリンレベルを急激に引き上げる高血糖状態は脂肪蓄積の観点から見ても極力回避すべきです」
その通りよ♪
高血糖に伴うインスリンレベルの上昇は脂肪蓄積を亢進させて「除脂肪とは反対の動き」をする。
除脂肪をしたいのであればインスリンレベルを上げないように注意する。
つまり「急激な血糖値の上昇」に気を付けるということよ。
はいっ!
ここで「体内における糖利用の流れ」を確認してみよう。
我々が食事から糖や炭水化物を摂取した際に「通常であれば」以下の優先順位で糖が利用されると言われている。
①細胞のエネルギー消費 ※常に消費
(脳、神経組織、赤血球、精巣、腎尿細管、無酸素活動時の筋肉などの活動や熱産生なども含む)
↓
②筋グリコーゲン合成(財布に貯金)
↓
③肝グリコーゲン合成(財布に貯金)
↓
④脂肪細胞の糖取り込み・肝臓での中性脂肪の合成(銀行口座に貯金)
④の中性脂肪の合成までは随分と長い道のりですね!
まず糖は常に細胞消費している分を除けば、まずは筋肉や肝臓にグリコーゲンとしてお財布に入る!
そして財布に収まりきらない糖は中性脂肪としてようやく銀行口座に入るという事ですね!
そう「通常であれば」だ。
へ?
え?
君らは「グリコーゲン量、つまり財布の中身を気にしていない」だろう?
え・・・?
あっ!?
「筋肉や肝臓にグリコーゲンとして、つまり財布の中に貯金できないグルコースは脂肪として銀行口座に蓄えられる」
ということは「グリコーゲンとして筋肉や肝臓に収まりきる糖質量」を理解せずに炭水化物や糖を摂取している限り、「糖は財布から溢れ出して中性脂肪へと合成される」ということだ。
言われてみればそうですよね・・・。
つまり「摂取量」も当然重要になってくると・・・
いくら糖が直接体脂肪にならないとはいえ「摂り過ぎれば太る」
確かにそりゃそうだ・・・。
ここまでの話を一度整理して繋げてみるといいよ。
はいっ!
えーっと・・・
整理できたかい?
【ダイエット時の糖や炭水化物の摂取の注意点】は以下の内容です!
①急激な血糖値の上昇を促す単糖類、二糖類の摂取を控える
(インスリンの大量分泌、インスリンスパイクを防ぐ)
②筋肉、および肝臓のグリコーゲンとして蓄えられない量の炭水化物を一度に摂取しない。
(インスリンスパイクを防ぐ、糖の中性脂肪合成を抑える)
いいね。
では「具体的にどうすれば良いかな?」
そうですね。
①急激な血糖値の上昇を防ぐ
②細胞消費やグリコーゲンとしての貯蔵量以上の摂取
除脂肪したい際の炭水化物の摂取について上の2つを「禁忌」とした場合。
「一度に大量の糖や炭水化物を食べること」を避ければいいと思います。
その通りよ♪
一度に大量に食べると血糖値も急上昇するし、グリコーゲンとして貯蓄できる以上の量を食べてしまう可能性も出てくるわ。
つまり除脂肪中だったら「どんぶり飯は控える必要がある」ってことだな(笑)
家にお茶碗の無いM彦、聞いてるか?
きっ、聞いてるよ!
「除脂肪中」なのに「どんぶり飯を食べてOK」だなんて流石の僕でも思わないよ!
(実はどんぶり飯でも食べられる方法はあるけど・・・まだ早いか)
空腹時に血糖値が下がってくると分泌されるグルカゴンの働きで肝臓に蓄えられたグリコーゲンはグルコースとして分解、血液中に放出されて血糖値を一定に維持するために利用される。
しかし肝グリコーゲンはその貯蔵可能量から大体「10~16時間程度で枯渇する」と言われている。
つまり「睡眠すれば半分程度は減ってしまっている」という事だね。
そうか!
以前言っていた「財布の大きさには限りがある」
体脂肪(銀行口座)と違ってグリコーゲン(財布)には貯蔵限界量がある!
それにしても「寝るだけで半分近くも財布のお金を使っちゃう」なんて・・・
以前言っただろう?
「安静時代謝」とは「家賃」
我々は肉体を手に入れた以上「肉体への家賃」をエネルギーとして生きている限り支払い続ける必要があるんだ。
「活動による生活活動代謝の3倍近くも安静時代謝として家賃を支払う必要がある」んですよね。
しかも「そのほとんどが体脂肪から支払われている」ということには驚きでした。
体内のグリコーゲン量を意識して食事を組み立てるGC法(Glycogen Control method)についてはまた改めて説明しよう。
今回特に重要なのは②の「糖や炭水化物はグリコーゲンとして財布から溢れない量を適宜摂取する」ということ。
ロミペンの言う通り「どんぶり飯」などで一度に大量の炭水化物を摂取することは「財布から糖が溢れる原因」となる。
つまり「除脂肪したいのであれば、炭水化物や糖は一度に大量に摂取せずに、一日数回に分けて必要分摂取するという事が基本」なわけだ。
除脂肪中は「どんぶり飯は禁止」っと・・・
なるほど!
「財布から溢れないように小分けにして摂取する」
これが炭水化物摂取の基本なんですね!
除脂肪は同化作用を持つインスリンを過剰に分泌をさせないことが大事だからね。
そのためにもう1つ「参考までに」理解しておくと良いことがある。
急激な血糖値の上昇を抑制するためには食品による「GL値」を参考程度頭に入れておくと良い。
GL値!?
「GI値」ではないのですか?
え・・・何それ。
両方とも聞いたことが無いです。
GI値というのはGlycemic Index(グリセミック指数)のこと。
消化が不要で直接小腸で吸収されて血糖値となるグルコース(ブドウ糖)を100とした際「食品別にどの程度の血糖上昇速度があるか」を示した数値だ。
ようは「食品ごとに血糖値が上がるスピード」ということだね。
ただGI値は「実際に食べる量が反映されていない」ので判断が難しい場合もある。
なるほど!
「分解する必要のない単糖であるグルコースを100」とした時に、他の食品がどれだけ血糖値上昇速度速いかという事ですね?
でも「食べる量が反映されていない」とは?
有名どころで言えば「コショウ」はGI値が高いとされている。
しかし「食事で摂取するコショウの量など知れているだろう?」
つまりコショウを食事で摂取した時の炭水化物含有量などほとんど無いに等しい。
むしろコショウは除脂肪にも有効なピペリンなどの成分が含まれている。
そこでより参考にできるように
「食品を食事として摂取した場合の含有炭水化物量を想定して」
血糖値の上昇を食品ごとに数値化したのが「GL値」
Glycemic Load(グリセミック負荷)というわけだ。
グリセミックロード!
それは初めて聞きました!
なんてことだ!
つまり「太りにくい炭水化物」がわかるということですね!
「その発想は危険だね」
あくまでも食事として摂取した際の「血糖値負荷」の話であって、「太る太らない」を一緒にしてはいけない。
100gの糖は緩やかだろうが急だろうが吸収されれば100g代謝される。
GL値はあくまでも耐糖能(糖の代謝能力)に異常があったり「食後高血糖によるインスリンレベル上昇を防ぐ」意味合いで用いられていることを忘れてはいけない。
「低GL値の食品は太らないから量を気にせずに食べてもいい」と誤解してはいけないよ。
は・・・はい。
そ、そうなんですね・・・・
ふふっ。
ちなみに白米を単体で食べるのと、卵かけご飯にして食べる場合。
どちらが「食後血糖値を緩やかに上げる」かわかるかい?
緩やかに血糖値を上げる?
・・・は、白米ですか?
ハズレ、卵かけご飯なのよ。
卵はタンパク質も脂質も含むわ。
その分、炭水化物より胃や腸での消化にも時間がかかるの。
だから白米単体で食べるより、脂質とタンパク質が添加された卵かけご飯は消化吸収までに時間がかかる。
つまり「血糖値の上昇スピードが緩やかになるのよ」
それに食物繊維などを足すと消化吸収は更に緩やかになるわ。
な、なるほど!
卵をかけるだけで血糖値上昇が緩やかになるなんて・・・。
つまりGL値ばかりを気にするより「結局食べ合わせが重要」ということですか?
その通りだよ。
GL値というのは「インスリンレベルを上げ過ぎない」という意味では確かに参考にできる。
だけど「食事というのは複数の食材を食べ合わせる」
つまり「結局のところは食べる食品やそのPFCの組み合わせが大事」ということさ。
なるほど、結局は食べ合わせで変わってくる・・・と。
GL値はすごく役に立つのかと思っちゃいました・・・。
ふふっ、そう残念そうな顔をしないでくれ。
GL値が大いに役に立つ彫刻方法もあるから「情報」としてここで覚えておくと良いよ。
えっ、そうなんですか!?
えっ!?
糖・炭水化物については「同化と異化の入門編」でも学んできた分、ある程度理解が早いね。
では次は三大栄養素の「脂質」について話をしていくよ。
も、もっと炭水化物の話を聞きたいのですが・・・・
僕も糖や炭水化物についてまだ疑問が色々あるんですが・・・
体内のグリコーゲン量を意識するGC法とか・・・
そう慌てないでくれ。
三大栄養素について「最低限の理解」をしたうえで、「具体的な食事の組み立て」に入っていく。
その時に各栄養素についての質問は受け付けるよ。
まずは「PFCの全てを最低限理解」していこう。
はっ、はい!
宜しくお願いします!
了解しました!
宜しくお願いします!
除脂肪時の炭水化物摂取については以下が基本事項となる。
おさらいしておこう。
①急激な血糖値の上昇を促す単糖・二糖類の摂取を避ける
(同化ホルモン、インスリンの大量分泌を防ぐ)
②筋肉、および肝臓のグリコーゲンとして蓄えられない量の炭水化物を摂取しない。
(糖の中性脂肪合成を抑える)