痩せるとは
N美炭水化物や糖質の摂取を抑えて
インスリンの分泌さえ抑えれば痩せると思っていたのに・・・
M彦「インスリンは常に分泌されている」ってどういうことなんですか！？
「血糖値さえ上がらなければインスリンは分泌されない」のでは？
ダビデ同化の入り口を理解した次は「異化」の入り口を学んでいこう。
「異化とはエネルギーの放出」
これを理解していこう。
N美エネルギーの放出？
M彦それが・・・「異化」
ダビデ君らは「痩せたい」
ではそもそも「痩せる」とは何だろう？
N美え？
M彦「体重が落ちる」ことです。
ダビデでは体重とは何かな？
M彦体重は「肉体の重さ」ですよ、先生！
ダビデでは体重を決める「体組成」を理解しているかな？
M彦えっ！？
体重を決める・・・
N美た、体組成・・・ですか？
ダビデ「我々の肉体が何で出来ているか」ということだ。
脳や内臓などの臓器を除いた場合、以下の４つが人の体重を決める体組成となる。
・筋肉
・脂肪
・骨
・水分
N美筋肉・・・脂肪・・・
M彦骨と・・・水分・・・
ダビデ痩せるとは「体重が落ちること」とM彦君は言ったね。
それは正しい。
ただし「体重を落とすことが肉体彫刻の目的」ではない。
N美え・・・・でも・・・・
M彦痩せるってことは「体重を落とす」ってことじゃ・・・
ダビデ肉体彫刻では脂肪を削り、筋肉をつける。
「決して体重を落とすことを目的とするのではない」
体組成が変わる結果として、「体重が変動する」
N美体組成の変化で、結果体重が落ちる・・
M彦はぁ・・・
ダビデ君らが「体組成」の中で落としたい物は何かな？
・筋肉
・脂肪
・骨
・水分
N美それはモチロン脂肪です！
M彦はい！ 同じくです！
ダビデGoodだ。
肉体彫刻であくまでも落とすのは「脂肪」であって、決して体重ではない。
「脂肪が落ちた結果、体重が変動する」
今後学んでいく前にしっかりと覚えていてほしい。
N美は、はい！
M彦わかりました！
ダビデさて、話を戻そう。
炭水化物や糖質を制限しても「インスリンが」分泌されている理由を。
N美そ、そうだった！
炭水化物や糖質を制限すると血糖値が上がらないはずです！
M彦血糖値が上がらなければ、同化ホルモンのインスリンは分泌されないはずですよね！？
ダビデ脳や臓器の活動
呼吸活動
心臓の拍動
体温産生
骨格筋の動作
我々の肉体には生きるために様々な生理機能が備わっていて、常にエネルギーを消費している。
そして我々の肉体は主に2種類のエネルギー源を活用している。
何か覚えているかな？
N美「糖質」と「脂質」です！
ダビデその通り。
そして体内のエネルギー源が完全に枯渇すると「餓死」するわけだ。
N美・・・・そ、そうですね。
ダビデ身体の細胞に酸素や栄養、エネルギー源を届けるのは何か覚えているかい？
M彦えっと・・・「血液」です！
そして「糖」「脂質」「タンパク質」
食事から摂取した三大栄養素は消化吸収を経て、血液中に放出されます！
N美そして栄養素の溶け込んだ血液が身体中を巡って、細胞が栄養素を取り込みます！
インスリンからの号令をトリガーとして！
ダビデGood、それが「同化」だったね。
では君らが「食事をしなかったら」どうなる？
N美えっ・・・
M彦つまり空腹時・・・ですか？
ダビデそう、空腹時だ。
我々の肉体は「血液中の栄養素を常に消費している」
「食事をしない」という事は「外から栄養素を血液中に送り込めない」ということだ。
血液中に栄養素が無くなれば、細胞はエネルギーを消費できない。
心臓が脈打つにも、体温を維持するにも常にエネルギーが必要だ。
M彦つまり「血液中にはエネルギー源が常に流れている必要がある？」
ダビデその通り。
では食事をしていない時
「どこからエネルギー源を血液中に流すのかな？」
N美「溜め込んだエネルギーを再利用する」・・・ですか？
ダビデその通り。
①脂肪細胞に蓄えられた体脂肪（銀行口座）
これはFFA（遊離脂肪酸）とグリセロールに分解されて血液中に放出される。
遊離脂肪酸はアルブミンというたんぱく質と結合し血液中を流れる。
グリセロールは肝臓で「グルコースへと変換」されて血糖値を上げる。
②肝臓に蓄えられたグリコーゲン（財布）
これは「グルコースとして血液中に放出」されて血糖値を上げる。
M彦そうか！
血液中から「余剰分として溜め込んだエネルギー源」を再度血液中に流し込むことで、常に細胞にエネルギー源を送り込んでいるんだ！
だから僕らの心臓は止まらずに、体温も常に維持できる！
ダビデその通り。
「体組成からエネルギー源を取り出し、消費する」
これが「異化」だ。
「同化」は体組成に栄養素を取り込み合成する
「異化」は体組成を分解して栄養素を取り出す。
「同化は貯金」
「異化は貯金を切り崩す」
そう考えればわかりやすいだろう。
N美異化はつまり・・「痩せる」ということ・・・
ダビデそうだね。
異化とは自分の体組成からエネルギー源を分解して、
自らの細胞にエネルギーを供給する。
そして体組成は体重を決定付けるものだ。
体組成が減れば「当然体重は落ちる」ということになる。
M彦でもなんでインスリンが分泌されるのかが・・
ダビデ思い出してほしい。インスリンの役割は何だったかな？
N美「血糖値を下げる作用」
それはつまり
「細胞が栄養素を利用しやすいように声をかけることです！」
ダビデその通り。
空腹時には肝臓のグリコーゲンがグルコースに分解されて血糖値を上げる。
そして脂肪細胞からもグリセロールというグルコースに変換される栄養素が分解される。
ようは我々の肉体は「空腹時に身体から糖を生み出している」というわけだ。
では空腹時、異化によって肉体から生み出した糖を血液中に流し込み続けるとどうなる？
N美肉体から糖を生み出し続ける・・・つまり血糖値を上げ続ける・・・・
「高血糖」になる！？
ダビデそうだね、高血糖になる。
つまりインスリンは
①自分の肉体から糖を作り続けたとしても、高血糖にならないように
②体組成から分解したエネルギー源を細胞が利用できるように
以上2つの理由により
「君らが炭水化物や糖質を摂取しなくとも分泌されているんだ」
これを「インスリンの基礎分泌」という。
M彦ご飯を食べていないのにインスリンが分泌されているのは「自分の肉体から糖を生み出して血糖値を上げている」から。
そして異化により体組成から分解した糖や脂質などのエネルギー源を細胞が利用するためにもインスリンは分泌される。
納得しました！
ダビデそして食事をして糖や炭水化物を摂取すると更に血糖値が上昇する。
その際血糖値の上昇レベルに合わせて、インスリンの分泌レベルも上がる。
これを「インスリンの追加分泌」という。
インスリン基礎分泌
↓
食事
↓
食後血糖値上昇
↓
インスリン追加分泌
急に血糖値が上がれば、追加分泌されるインスリンの量も増える。
N美なるほど！
つまり「異化状態から同化状態に移行する」という事ですね！
ダビデ同化と異化は常に体内で起こっているから「移行」ではなく
「優位」と表現すべきだね。
異化優位 → 食事 → 同化優位
【同化反応】
食事
↓
血液中の栄養素増大
（血糖、血中脂質、血中アミノ酸）
↓
インスリン分泌（血糖値レベルに合わせて）
↓
三大栄養素の同化反応増加
↓
体組成が増える（体重が増える）
N美なるほど！
M彦繋がりました！
ダビデそしてそのまま、食事をしないと「異化作用」が亢進、つまり増大する。
【異化反応】
食事をしない
↓
①細胞は常に血液中のエネルギーを消費
↓
②血液中の栄養素低下（血糖値も低下）
↓
③低血糖にならないように異化作用亢進
↓
④肉体から糖と脂質を生み出して血液中に流す
↓
⑤血液中の栄養素増大（血糖値も上昇）
↓
⑥インスリン分泌
↓ ※ループ
①細胞が糖と脂質をエネルギーとして消費
↓
②血液中の栄養素低下（血糖値も低下）
↓
③低血糖にならないように異化作用亢進
↓
④肉体から糖と脂質を生み出して血液中に流す
↓
⑤血液中の栄養素増大（血糖値も上昇）
↓
⑥インスリン分泌
↓ ※ループ
①細胞が糖と脂質をエネルギーとして消費
↓
②→③→④→⑤→⑥
このようなループになると考えればイメージしやすいかな？
N美なっ、なるほど！ わかりやすい！
異化によって肉体からエネルギーを取り出して、基礎分泌されているインスリンによって高血糖を抑制しつつ細胞が生み出した栄養素を消費する！
M彦食事をしなくてもインスリンが分泌される理由がわかりました！
ロミペン二人とも気付かないかい？
N美へ？
M彦何に？
アーシャ同化のトリガーは「インスリン」だったわよね。
M彦そうですね！
インスリンは常に分泌されている「基礎分泌」
そして食事などでの血糖値の上昇に反応して「追加分泌」が行われます！
インスリンの分泌量が上がれば、同化レベルも上がります！
ダビデその通り。
N美・・・・・。
ロミペン（N美さんは気付いたみたいだな・・・）
N美あの・・・・
ダビデどうしたんだい？
N美異化とは体組成からエネルギー源を取り出すこと。
つまり「貯金を切り崩して痩せる」ということ。
「同化のトリガー」がインスリンだったように
「異化のトリガー」が何かあるのかなって・・・
M彦そっ、そうか！
異化とは「貯金を切り崩して体組成が減る」こと。
つまり「異化のトリガー」を理解すれば痩せるということ！
ダビデ楽しくなってきただろう？
では、はじめよう。
貯金を切り崩して、体組成を減少させる「異化」
そのトリガーと真実について。