肉体彫刻倶楽部へようこそ
あ、アーシャさん・・
今どこに向かっているの?
N美さん、心配しないで! もうすぐ着きますよ!
(ちょっと・・こんな暗がりに何が・・)
(ノワール映画じゃないんだから・・・)
ギャー!! 出たーっ!!
う、うわぁーっ!
(こ、こんなところに人が!)
(なぜこの道に・・・不審な男ね!)
N美さん、私の後ろに隠れて!
あっ、驚かせてすいませ・・
不審者め! 覚悟しなサイ!!
ふ、不審者!? ちょっと、待っ・・・
あれ・・・? アーシャじゃないか・・・。
ろ、ロミペン!? どうしてこんなところに!?
そりゃこっちのセリフだ。
(開口一番、知らない人を不審者呼ばわりするなよ)
この道にいるってことは・・・倶楽部に行くんだろ?
あっ・・・もしかして・・・ロミペンも?
(あら、ヤダ! イイ男!)
あ、アーシャさんのお知り合いかしら?
(はわわわ・・・)
(ロミペンの知り合いなの!?)
(すまんM彦・・・後で説明する)
まぁ、とりあえず倶楽部に向かおう。
そこで先生も交えて、ちゃんと紹介するよ。
先生! いらっしゃいますか!?
ご無沙汰しております、アーシャです!
せ、センセイ?
おや・・・・誰かと思えば
(えぇっ!)
(だ、だ、ダビデ像!?)
先生! ロミペンもいますよー!
ほう、二人揃ってとは・・・驚いたな。
今日はお友達も一緒かい?
あ・・・あの・・
そ・・・その・・
(そっか・・・忘れてた)
(初めての人はそうなっちゃうわね・・・)
経緯を説明します! ほら、アーシャも!
・・・というわけで、先生のお力を借りれないかと
(美と可愛さの共存を・・・私は今・・見ている)
(このデブ・・・アーシャさんをジロジロ見て・・)
なるほど。
二人とも自分の身体に悩み、理想の肉体を手に入れたいと。
そしてわざわざここに連れてきたという事は・・・
ステージ-0にも移行できていないという感じかな。
あっ・・・N美さんは報酬行動への移行はしてました。
M彦はご指摘通りです!
抑圧行動のままです。
(二人とも何を言ってるの・・・)
(こんなにも美しい人がいるなんて・・・ふへへ)
理想の肉体を確実に手に入れる方法
ではさっそくだがM彦君、N美君に一つ質問しても良いかい?
はっ、はい!
な、なんでしょうか!
二人ともそれぞれ当倶楽部のトレーナーにここに連れてこられたようだが・・・。
自分自身で変わりたいという気持ちはあるのかな?
はっ、はい! 変わりたいです!!
もっ、もちろんです! もう後がありません!
・・・了解した。
では、少し話を聞いてみようか。
ありがとうございます! 先生!
宜しくお願いします!
では改めて、自己紹介をしよう。
私は肉体彫刻倶楽部の運営者、ダビデという。
当倶楽部では、自分の肉体に悩みを持つもの、また理想の肉体を求める人たちに対して指導をしている。
君らを連れてきたアーシャやロミペンも当倶楽部のトレーナーだ。
(そ、そうだったの・・・)
(ロミペン・・・料理しながらトレーナーも・・・)
さっそくだが、二人とも。
理想の肉体を確実に手に入れる方法
というものを知ってるかい?
そっ、そんな方法がこの世にあるんですか!?
どっ、ドラゴンボールですか!?
(初めて聞いたらやっぱりみんな衝撃だよなぁ・・)
(私もちゃんとトレーナーとして勉強しなきゃ・・)
たった3つだ。
3つ?
な、・・・何がでしょうか?
(ボールは7つ必要じゃ・・)
理想の肉体を手に入れるためには
たった3つの真実を理解すればいいんだ。
それで君らは変われるんだ。
ばっ、馬鹿な・・・
たった3つの真実を理解するだけですか?
そうだ。 たった3つだ。
先生・・・
私は過去10年以上様々なダイエット方法を試してきました。
付いたあだ名が「Ms万年ダイエッター」です。
私にはどのダイエットもうまくいきませんでした。
たった3つの真実で変われるなんて到底・・・
そういうN美君でも問題ない。
(・・・なかなか秀逸なあだ名だな)
せ、先生!
私も10年近くダイエットを繰り返して今に至ります。
こんな私でも・・・変われるのでしょうか?
「変わりたいという気持ち」があるなら、それだけでOKだ。
他は何もいらない。
私も子供のころから肥満だったのよ、N美さん。
先生の指導で今の身体があるの。
俺もさ、M彦!
5年前までガリガリだった俺を知ってるだろ!?
(アーシャさんが・・・肥満だったなんて)
で、でもロミペン、僕は筋トレとかも苦手で・・・
筋トレ? 今日、君らは何もする必要はないよ。
えっ!?
(筋トレをしない?)
先生っ! 私は筋トレでも何でもしますよ!
何をすればよいですか!? ご指導ください!!
(ふむ・・・確かにN美君は既に報酬行動に移行しているな)
よろしい、では早速始めていこうか。
M彦とN美はロミペンとアーシャに連れられて、肉体彫刻倶楽部に辿り着いた。
そこで二人を待っていたのはダビデと名乗る肉体彫刻家だった。
ダビデは言う。
「理想の肉体を確実に手に入れる方法」が存在すると。
M彦とN美の肉体彫刻家としての歩みが始まるのであった。