EP-05 二種類の備蓄エネルギー 

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目次

生物最大の敵

N美

おはようございます!

アーシャ

二人ともおはよう♪

M彦

アーシャさん!

おはようございます!

ロミペン

おうおう、M彦よ。

幼馴染もここにいるぞ~

N美

ロ、ロミペンさん、おはようございます!

ロミペン

おはよう!N美さん!
同じ会員同士、今日から楽しくいこう!

ダビデ

おはよう二人とも。時間通りに来たね。

昨日はよく眠れたかい?

N美

昨日は色々と衝撃的なことがありましたが・・・

それでも・・・快眠できたんです!

今日という日が待ち遠しくて!

M彦

僕もなんだかフワフワした気持ちと言うか・・・

楽しみと不安が入り混じった感じでした。

ダビデ

何よりだ。

二人にとっては今日が当倶楽部会員としてのデビューだからね。

N美

それで先生、今日から肉体彫刻倶楽部の会員として実際になにをすればよろしいのでしょうか?

M彦

(ドキドキ・・・)

ダビデ

まず初めに「脂肪が増える」「脂肪が減る」ということについて君らは学んでいく必要がある。

N美

脂肪蓄積の仕組み
除脂肪の仕組み


ということですね!

アーシャ

その通りよ♪

M彦

そもそも、我々は脂肪についての知識が何もなかったというのを一つ目の真実「知識編」で教えてもらいました。

ダビデ

ではさっそく、二人に質問だ。

「人の歴史において、人類最大の敵が何かわかるかい?」

N美

人類最大の敵!?

M彦

人の敵は人・・・みたいなことじゃないですよね?

ダビデ

そこは博愛主義でいこう。

では、人類に限らず、「生命の敵」と大きく囲って考えてみてほしい。

M彦

今の人に外敵と呼べる生物はいないしなぁ・・・・

N美

今も世界中で戦争で命を落とす人がいるけど・・・

でも生物全般が戦争を起こすわけないし・・・

ダビデ

答えは簡単。

それは「飢餓」だ。

N美

あっ!

M彦

きっ、飢餓・・・

つまり飢えということでしょうか?

ダビデ

その通り。

人も含めた生物全体で見たとしても、一番多くの生命を奪っているのは「飢餓」に他ならない。

つまり我々生物は常に「飢餓」との戦いにさらされているんだ。

N美

今でも世界では餓死者が出ていると聞いたりします・・

ダビデ

国連世界食糧計画(WFP)によると日に数万人、年間で数千万もの人間が今も餓死しているとの報告もある。

M彦

日に数万人!?

そっ、そんなにも餓死者がいるんですか!?

ダビデ

非常に悲しいことだ。

先進国では「餓死」が「遠い歴史上の事」だと思う人もいるだろうが、その実現代においても人類は「飢餓」と戦っている。

N美

・・・・。

ダビデ

もし「飢餓に苦しむ人の事を考え何かできることはないか?」と思うのであれば、商品を購入して寄付に繋がるレッドカップキャンペーンというものもある。

毎日習慣的に取り入れられそうな商品などが有ったら、取り入れてみることをオススメする。

ただ単に寄付するよりも「継続性が高い」からね。

N美

す、すごい!

食品だけじゃなくて色々な商品やサービスまで・・・

M彦

人類の敵を根絶しようという企業さん達なんですね・・・

ダビデ

少しでも多くの企業がレッドカップキャンペーンに参加してくれるといいね。


では話を戻そう。

人類における最大の敵が「飢餓」ということはわかってもらえただろうか?

N美

は・・はい・・

ダビデ

では続けて質問だ。

なぜ人は飢えると死に至るのかな?

M彦

えっ・・・・

その生きるためにはエネルギーが・・・・

ダビデ

もう少し具体的に聞きたいな。

N美

体温が作れないとか・・・

ダビデ

N美君、正解だよ。

①細胞
②代謝
③恒常性
④変化への受容と反応
⑤生殖
⑥進化

人を含めほとんどの生物に共通している6か条だ。

体温維持は③の恒常性にあたる。

M彦

確か周りの環境が寒くても暑くても、体温を一定に保とうとする・・・

確か一定に保とうとすることを「恒常性」というんでしたね。

ダビデ

その通り。

体温を維持するにもエネルギーが必要だが、当然我々が活動するということにもエネルギーは使われる。


呼吸するためにもエネルギーが必要だし、君らの心臓が脈打つためにもエネルギーが必要なんだ。


つまり我々は生命活動を維持するために、常にエネルギーを消費し続けているという事になる。

N美

つまり体内のエネルギーが枯渇すると・・・

ダビデ

肉体の生理機能が働かず、最終的には死に至る。

M彦

死・・・。

N美

そして植物のように光合成でエネルギーを作れれない我々は、生命活動に必要なエネルギーを「外から食物として摂取」する必要がある。

ダビデ

その通り。

なので我々の肉体はエネルギーが「枯渇=死」とならないように蓄える機能を保持している。

N美

それがいわゆる脂肪・・・・

ダビデ

その通り。

ただし、それだけだと理解が不十分だ。

肉体彫刻家であれば、さらに一歩踏み込んだ理解をする必要がある。

N美

えっ!?

M彦

えっ!?

2種類の備蓄エネルギー

ダビデ

我々の肉体には大きく分けて2種類の備蓄エネルギーが存在していることを知っているかい?

N美

え、エネルギーに種類なんてあるんですか?

ダビデ

1つ目のエネルギーは多数のグルコース(ブドウ糖)と水が複雑に結合して作られる。


その名を「グリコーゲン」という。


まぁ、「人が作るデンプン」のようなものだ。

M彦

で、でんぷん!?

じゃがいもみたいな感じですか?

ダビデ

そうだね。

ただし、じゃがいもは光合成でデンプンを合成貯蔵できるが、

人がグリコーゲンを合成するためには元となるグルコース(ブドウ糖)は糖質(炭水化物)を食事として摂取する必要がある。

N美

グリコーゲン。

糖質を備蓄エネルギーとして蓄えたもの・・・

ダビデ

そしてもう一つの備蓄エネルギーが君らが毛嫌いする「脂肪」だ。

M彦

うわ出た・・・・脂肪。

ダビデ

随分な反応じゃないかM彦君。


脂肪は生命活動に必須だというのに。

M彦

脂肪も必要だというのは聞いたことがありますが・・・


でも先生。

そもそも糖質をグリコーゲンという備蓄エネルギーにできるなら、わざわざ体脂肪という形で備蓄エネルギーにする必要なんてあるのでしょうか?

ダビデ

脂肪組織が無かったら、君は常に餓死の危険と戦う必要があるな。

M彦

えっ、いやだって貯蔵エネルギーはグリコーゲンとして蓄えてあるわけで・・・

ダビデ

グリコーゲンは主に肝臓と筋肉に蓄えられる。

その備蓄総量は人にもよるが、エネルギーを表す単位「カロリー」で換算すると1400~2000kcal程度だ。

N美

えっ、それだけなんですか?

1400~2000kcalってよく言われている1日の基礎代謝とかいうやつとほとんど変わらないような・・・


糖質由来の備蓄エネルギーは「それだけしか溜め込めない」のですか?

ダビデ

そうなんだ、グリコーゲンは脂肪と違い、備蓄上限がある。


もし脂肪組織が無い場合、常に食事をして身体の備蓄エネルギーに気を遣う必要がある。


何も食べないでいると、一日と持たずにエネルギーが枯渇してしまうからね。


何度も言うが心臓が脈打つにも、体温産生にも、呼吸にも全てエネルギーが必要だ。


エネルギー枯渇=死 だということを忘れてはいけない。

M彦

な、なんでグリコーゲンは・・・

糖質由来のエネルギーはもっと溜め込めないのですか!?

ダビデ

M彦君。

さっそく君の肉体情報を教えてくれ。

M彦の肉体ステータス

身長

体重

体脂肪率

172cm

100kg

40%

ロミペン

やっぱり大台に乗ってるかぁ・・

M彦

これでも少しは体重が落ちたんだよ!

ダビデ

ざっと300kgといったところかな。

M彦

へ?

ダビデ

いや、M彦君の体重さ。

N美

に、人間じゃねぇ・・・

M彦

ちょっ、ちょっと先生!

私はの体重はちょうど100kgですよ!

300kgだなんて、身動き一つ取れませんよ!

ダビデ

もし君の体脂肪を全てグリコーゲンとして身体に備蓄できた場合の君の体重さ。


先程説明したが、グリコーゲンは多数の糖質と「水」が結合されて貯蔵されている。


水が重いというのは知っているだろう?

N美

脂肪は水と結合しない? 

つまり「軽い」ということですか?

ダビデ

脂が水をはじくように、体脂肪も「疎水性」といって水になじまない性質を持つ。


つまりグリコーゲンと違って多量の水を引き込むことはないから「軽い」


しかも同質量で比較した際に、グリコーゲンと違って脂肪は約6倍近くエネルギーを備蓄できる。

N美

ろ、6倍ですか!?

脂肪は軽いだけじゃなくて、グリコーゲンと比較した際に6倍ものエネルギーをため込んでいるんですか?

ダビデ

それだけではないよ。


内臓脂肪は重要な内臓器官の位置を整えるのと併せて衝撃クッションとしての役割も持っている。


皮下脂肪も関節などの稼働を円滑にする潤滑油としても機能し

また更には身体の熱を逃がさない防寒着としての役割も併せ持つ。


体温を作るのにもエネルギーを常に消費してしまうからね。

飢餓と戦うためには省エネでいる必要があるわけだ。

N美

す、すごいわ!

体温を逃がさないことで、恒常性に伴う体温維持に必要な消費エネルギーも抑えつつ、身体の機能性や保護性まで高めているんですね!

ダビデ

自重で身動きが取れなければ、狩猟などの活動が出来なくなって生物として生きていけない。


更に人類史においては「暖房」や「ダウンジャケット」なんてものは夢の存在。

恒常性による体温産生で「エネルギー消費=死」とならないように、防寒としての機能も持つ。


つまり脂肪とは



膨大なエネルギーを肉体に負荷のかからない状態で備蓄し、
むしろ肉体の機能性と保護性の向上、
更には省エネ性能も持ち合わせた
「餓死という生命最大の敵に対抗するための最高の鎧」ということだ。


これでも体脂肪を毛嫌いするのかな?

M彦

・・・ごめんなさい我が体脂肪達よ。

飢餓の肉体と飽食の僕

ダビデ

我々生命の最大の目的、それは「生きる」ということ。


そして「生きる」ということは「エネルギーを消費」するということ。


そして我々は「食事としてエネルギーを摂取」する必要がある。


つまり「食べる」ということは「生きる」ということだ。


これは今の現代人でも変わらない。

N美

今でも世界には餓死者がいるというのに・・・

なんか肥えた自分を見てると悲しくなってきました・・・・

ダビデ

悲しむ必要は何もない。


ストレス社会の現代において、「食事」というのは


自分が自分に与えることのできる、この上ない最高の「報酬」なんだ。

N美

食事は最高の報酬・・・・確かに。

M彦

報酬・・・・報酬行動・・・・

ダビデ

その通り。

人はストレスを嫌う生き物だ。

そして受けたストレスは報酬行動によって解消しようとする。


ストレス社会の現代において

「自分が好きな食べ物を好きなだけ食べる」

というのは確実に自分に対して与えることが出来る「最高の報酬行動」なのさ。


だからこそ、肥満でいることを恥じる必要はまったく無い

ロミペン

ただし、「生活習慣病」「メタボリックシンドローム」という言葉と共に、肥満の健康リスクへの警鐘も常識的になってきた。


肥満は恥ずかしいことじゃないけど、健康面への悪影響が多分にあるということだけは忘れてはいけないんだ。

M彦

う・・・。

N美

体脂肪というものについて少し考え方が変わった気がします。

悪者なんかじゃなかったんだ・・・。

そもそも生きるために備わっている仕組みだったんですね。

アーシャ

体脂肪は生命活動に必須。

まずはそれを理解しなきゃ何もはじまらないのよ。

ロミペン

そう。

痩せるを極めるというのは、体脂肪を毛嫌いすることから始まるんじゃない。

まずは体脂肪の重要性を理解することから始まるんだ。


後で驚くほど話が繋がってくるよ。

N美

はっ、早く次の講義が聞きたいです!

ダビデ

よし、ではまとめるぞ。


我々の肉体は常に飢餓に対して備えている。


つまり「宿主を生かすために、エネルギーが枯渇しないような様々な仕組みが肉体に備わっている」わけだ。

M彦

僕の肉体は・・・常に飢えに備えている・・・

僕が飢餓で苦しまないように。

ダビデ

君の肉体はきっと驚いているさ。


まさか「飢えを気にしなくて良い時代」が来るんなんてね。


ただし君の肉体は、君が今生きている「飽食の時代」を知らない。

だからと言って「DNAに刻まれた宿主を生かすための機能が消えることは無い」んだ。


無論、今後数百年先、飽食の時代を経て、人が飽食の時代に対応して進化する可能性を否定はできないが、それはきっと「最高の鎧を脱ぎ捨てた生物としては退化」と呼べるものになっている可能性がある。

M彦

飢餓の肉体と、飽食の僕・・・。

エネルギーを備蓄できる肉体の仕組みが無ければ、人は今の飽食の時代を迎えることができなかったかもしれない。

だからこそ、きっと身体は驚いている。 DNAに刻まれたそれとは違う毎日を過ごす宿主に。

結果として、備蓄機能が限界を迎え、インスリン抵抗性や分泌不全におけるエネルギー代謝の破綻。

高血糖や脂質異常症による各疾病。

人が生きぬくために備えた最高のアーマーが今の飽食の時代、人の命を奪う原因になっている。

肉体が時代に追い付いていない?  そうではない。

時代と共に、肉体は少しずつ解明されている。

肉体に興味を持つ。 これが現代人の常識になれば、それだけで解決する。

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